ついに承認へ レムデシビルremdesivirという薬とは?
いよいよGWが終了しましたがいかがお過ごしでしょうか?
5月7日、つい先程ですがレムデシビルが新型コロナウイルス(以下、COVID-19)の治療薬として承認されました。
レムデシビルとは?
レムデシビルは、もともとエボラ出血熱の治療薬として海外でのみ使用されていました。
しかし、数多くの研究結果よりレムデシビルがCOVID-19に効果があるということで、日本でも今まで使用されていませんでしたが、正式に治療薬として承認されました。
ここでレムデシビルについて軽くまとめてみました。
作用機序
レムデシビルはRNAウイルスに対し広く活性を示すRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬で、元来はエボラウイルス感染症の治療薬として開発されたが、in vitroでCOVID-19に対し良好な活性を示す。1)
COVID-19はRNAウイルスというもので、これが増殖する際にRNAポリメラーゼという酵素が必要なのですが、この酵素を阻害することでCOVID-19をはじめとするRNAウイルスの増殖を抑えるのがレムデシビルです。ちなみに、アビガンも同様の働き方をします。
用法用量
200 mg once (Day 1) + 100 mg (100 mg daily) (Day 2 以降)、10日間。1)
初日は200mgを投与し、2~10日目は100mgを投与となっています。
副作用
肝機能障害、下痢、皮疹、腎機能障害などの頻度が高く、重篤な副作用として多臓器不全、敗血症性ショック、急性腎障害、低血圧が報告されているそうです。
副作用については、日本人に投与してまた新たな副作用が出る恐れがあるため、当面は注意が必要です。
使用していく際の注意点
①国内供給量がまだ十分ではない可能性あり
販売元である米国ギリアド・サイエンシズ社は全世界にも供給をしていくことを表明しているため、日本に十分供給されるとは限らないので、まだまだ予断を許さないかと思います。
如何せん、アメリカから輸出しているため、政治的な動きがあるとどうなることやら…
あとは、アビガンも同様に供給されると、レムデシビルの供給不足に悩まされないのかなと思います。
②まだ日本で使用されていないため、用法用量・副作用が未知数
日本人は一般的に外国人より体格が小さいため、用法用量が上記の量より少なくても効果が発揮すると思いますが、これは実際に使用してみての結果になるかと思います。
問題は副作用の方で、使用実績が増えてくると出てくる副作用があるため、今後注意が必要です。
③現在までの臨床成績が思ったほど著効ではなかった。
米ギリアド・サイエンシズ社が重症患者への治療効果を発表しました。
ギリアド・サイエンシズ COVID-19治療薬として開発中のremdesivirの 第III相臨床試験で得られた重症患者の結果を発表
一方で、現在山中伸弥教授がCOVID-19に関するサイトでレムデシビルについて触れていますが、
高い期待を集めているレムデシビルだが、過度の期待は禁物であることを思い知らされる結果。しかし、早期に投与すれば効果ある可能性は残された。2)
とコメントしているため、今後の大規模な使用実績が鍵となる。
今後、様々な事態が想定されるかと思いますが、レムデシビルがCOVID-19の治療薬として活躍してくれることを祈っています。