薬剤師にも光を! 書評『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』
今日はこどもの日ですがいかがお過ごしでしょうか?
最近は読書をして外出自粛しています。
今日は、漫画『アンサングシンデレラ』の書評をまとめました。
どんなジャンルのマンガ?
この漫画は病院薬剤師を題材としている漫画です。
かくいう私も薬剤師なのですが、4月9日からドラマ放映されるということで早速読んでみました。
(ちなみに5月5日現在、まだドラマが放映される予定は未定です。)
参考リンク:フジテレビドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』
医師や看護師、最近だと臨床検査技師なども題材にしたドラマは放映されていますが、
病院薬剤師を題材にしたドラマは今回が始めてです。
まぁ調剤薬局の薬剤師も漫画化・ドラマ化されると良いなと感じていますが…
薬剤師とは?
薬剤師には、今回題材になった病院で働く薬剤師の他に、調剤薬局やドラッグストア、製薬会社で働く薬剤師などがあります。
基本的には、患者さんに対して薬を渡すことも仕事の一つですが、皆さんがよく想像するただ薬を渡す人ではなく、渡す過程の中には薬が正しい量で医師から処方されているかを確認する「処方監査」という過程があります。
医師から皆さんが処方箋を渡されて、それを薬局に渡して皆さんは薬をもらうと思うのですが、時々先生が誤って処方箋に記載していたり(10倍の量で処方されているケースもあったり…)、いつも飲んでいる薬と重複して薬を出すケースなどがあります。
そこで薬剤師が「処方監査」することで、皆さんに不利益がないようにするのが私達の仕事です。
…と「処方監査」について熱く語りすぎてしまいましたが。
当然それ以外にも仕事があるわけで…
病院薬剤師だと、病棟に出向いて服薬指導をしたり、調剤薬局薬剤師だと、患者さんの家に訪問して薬を渡す在宅訪問などがあります。
また別の機会でお話できたらと思います。
本の題名「アンサングシンデレラ」について
「アンサング・シンデレラ」のアンサングは
unsung:詩歌にうたわれ(てい)ない、詩歌によってほめたたえられない
からきています。
よくアンサングヒーロー(謳われることなき英雄→縁の下の力持ち)はよく言われていますが、
本書も「称賛されないシンデレラ」という意味がこもっているのかなと感じています。
まだまだ医師や看護師と比べると知名度は低いですし、未だに何の仕事をしているかわからない方も多いと思います(まぁ他の業種の方からしたら十分有名だと指摘があるかもしれませんが…)。
今後、薬剤師が「アンサングシンデレラ」と言われないよう、薬剤師全体で頑張っていく必要があるのかなと改めて感じています。
ぜひ、本書を読んで薬剤師ってこんな仕事をしているのかと覚えてもらえると幸いです。
読んだ感想
果たして、薬剤師のことをちゃんと描けているのか?と疑心暗鬼になりつつ読み始めたのですが…
この本はちゃんと描かれている!!
細かな薬の用法についてもしっかり描かれているし、薬の知識もあり勉強になる部分もあり、これはぜひ薬学生やこれから薬学部を目指す人、新人薬剤師に読んでもらいたいです。
特に1巻は勉強になる部分があったなと感じています。
しかも1巻の一番最初に「疑義照会」を持ってくるなんて…
「よくぞ私達の悩みを言ってくれた!!!」と諸手を挙げて称賛したい内容でした。
我々も医師が忙しいことは重々承知ではありますが、先生に確認したい内容があるときは恐る恐る電話をして疑義照会をしています。
患者さんにもお伺いを立てつつ、医師の先生方にもお伺いを立てつつ…
疑義照会をする際は、肩身が狭いな…と感じつつ電話をしているわけで…
ちなみに、本書は病院薬剤師である富野浩充先生が監修しているので内容がしっかりしています。
現役の薬剤師の先生方にも読んでもらいたなと思います。
まとめ
今、GWで家にいる機会が多いかと思いますが、
ぜひ本書を読んで、薬剤師ってどんな事をやっているのかを
少しでも理解してもらえたら幸いです。
そして、ドラマが放映されたときは、ぜひ石原さとみさんをよろしくおねがいします。笑